網走流氷の丘ユースホステル

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ウィメンズマラソン

面白かった! 最初は主人公に全然共感できなかったし、登場人物たちの名前が生々しかったりで、「これはどうかな?」と思ったのですが、読み進むうちにぐんぐんと引き込まれました。物語の構成は王道です。奇は衒っていない。だからこそ難しいのですが、マラソン経験もなく、資料で調べただけで書いたなんて、プロの作家とはなんと凄いんだと感じずにはいられませんでした。一番感心したのは、身内以外の登場人物を「さん」づけしているところですね。作者の人間性が出ています。ただ、コーチが栞ちゃんを娘のように可愛がるのはわかるのですが、監督までそう思うのはちょっと不思議。名古屋を走ってから最終章まで時間が飛んでいるので、その間に交流があったのでしょうが、読者には唐突に思えます。それからリオには残り枠があと二つで、そのうち一つは大阪で優勝した江藤で決まりと見られていたのに、主人公と辻本が出場している(多分)。これは陸連も大変だったのでは。また、主人公はリオで金メダルを獲ったと思うのですが(これも多分)、そこははぐらかしてある。この辺りがもどかしくもあり、余韻を感じさせる技でもありますね。坂井さん、これ見てたら教えてくれないかなあ。とにかく読後感は最高でした。