ホンダスペイシー125のコクピットから見る風景は、BMWのR100RTに乗ってるときのそれとそっくりです

ホンダスペイシー125のコクピットから見る風景は、BMWのR100RTに乗ってるときのそれとそっくりです

直十(c)

ぼくは今、ホンダのスクーター、スペイシー125(JF04)に乗っています。型番からいって1995年に作られたものらしいです。エンジンは元気、サスもへたってない。

パーツ類がプラスチック丸出しなのがイマイチですが、デザインはまとまってると思います。

ヘッドライトのレンズがガラスなんですね、なんと。今やクルマもバイクもみなレンズはプラスティックなので、なんだか一点豪華主義な感じです。

カラーリングは前のオーナーが塗り直したブルーメタリック。これにフルスクリーンが付いてます。

明るいブルーにフルカウル・・・あるとき、このスクーターに乗ってて思ったのでした。

ああ、おんなじだ。BMWのR100RTと。

10年くらい前まで、ぼくはこの大きなバイクに乗っていました。RTもフルカウルで、スクリーンの上辺からギリギリ前が見えるくらいまでの高さがあります。足元もカウルにおおわれているので、ちょっとの雨だったらカラダがたいして濡れないくらい。

パワーは段違いですが、乗ってカウルの内側から見る風景は、

あんまり変わりない・・・

のです。いや、ほんと。

しかも、排気量は125CCですから、法定最高速度は60キロまで出せます。自動車専用道路には入れませんが、一般道ならじゅうぶん流れに乗れるビークルです。でも課税区分は「原付」で安上がりです。

50CCより大きくて125CC未満の二輪車は【原付二種】という区分になります。

推測ですが、自動車をめぐる法整備の歴史の中で、いつもどっちつかずのポジションにいたのがこの排気量区分の二輪車だったのでしょう。

車両運送法では原動機付「自転車」なのに、道交法では「自動二輪車」扱いなので、「いったいどっち?」というような場所をただよってるという感じですね。

ぼくが暮らしている北海道では、郊外の一般道路は制限速度の標識がありません。つまり法定速度でオーケーだということですね。60キロで走れます。

ホイールの小さいスクーターで60キロで走ってれば、けっこう疾走感があります。

1000CCのBMWRTだったら、もう物足りなくて欲求不満になってしまいます。フルカウルのせいで風もたいして当たらないということもあるかもしれませんが。

ひと昔前のレーサーのようなスペックのバイクだったりしたら、もう、宝の持ち腐れもいいとこです。せっかくのマシンが泣く、というもの。

違法行為以外に、いったいどうやってそのウップンを晴らせるというのでしょう?

ぼくが大きいバイクに興味がなくなったのは、この「宝の持ち腐れ」感と、モノ(この場合は大型バイク)に支配された人生になってしまうのがイヤだということの二つの理由からです。

大きいバイク、しかも憧れのバイクなんかを手に入れてしまったら、ライダーの人生はそのバイクのためのものになってしまいます。

ぼくは大昔に、ハーレーダビッドソンXLH1100を所有していたことがあります。ハーレーでもおっさんくさい(と当時のぼくは思っていました、すみません。今はそんなこと思ってません)FLH系じゃなくて、ダートトラッカー系のXLの最大排気量(当時)だったやつです。

雑誌【RIDERS CLUB】に真っ黒いXLの記事が載ったころからいいなあ、と思ってたのですが、そのときは大型二輪の免許を持ってなかったし、とてもビンボーだったので現実的じゃなかったのです。

その後、なんとか限定解除の試験に合格し(別のページで詳しく書きます)、仕事上では独立して、あるていどフトコロの余裕がでてきたころに、XLが1000CCから1100CCにモデルチェンジすることになったのでした。

その直後、かなり大きいプロジェクトが終了して、がばっと売上が計上できたのです。シンドイ仕事でしたから、終わった時にはほっとしてしまい、自分への褒美だな、などとありがちな理由をつけて1100CCのXLHスポーツスターを買いました。

d97jro / ※同系列の車種。ぼくが乗ってたのとはタンクのラインとマフラーが違います。

うつくしい、いいバイクでしたねえ。気品のようなものが漂っていました。ぼくが買ったのは真っ黒い塗色のもので、赤い親子ライン(太い線と細い線が並んでいるもの)がガソリンタンクに入っています。そのラインを指でなぞりながらウットリしたりしてました。

ちょっと時間があればバイクを磨き、CRC5-56を差し、車検には莫大なお金を出し(ディーラー車検でした)、休日はいつもバイクに乗っていました。

あのころのぼくは、オートバイに完全に支配されていました。生きる意味は、オートバイを維持することにあったといっていい。今思えば、とても歪んだ人生観です。

そんな日々は、結婚して終わりを告げました。妻が、ぼくのバイクでの遠出を嫌がったのです。泊まりでツーリングにでかけるぼくにいい顔をしてくれない。そんなことがあって以来、ハーレーには次第に乗らなくなり、知人に売ってしまいました。

それから長い間、ぼくはバイクから遠ざかっていました。釣りを覚えたことで、モノとよりも生き物とのやりとりに目覚めた、という感じ。

オホーツクに来る数年前、ぼくが人生の舵を大きく切ろうとしていたときに、前述のBMWR100RTをヤフオクで買いました。30万くらいだったと思います。

久しぶりのバイクはそれなりにいいものでしたが、独身のころの狂熱はよみがえることはなく、3年ほどで乗らなくなりました。やっぱり相手がある釣りのほうが魅力的です。

10年ほど前に北海道オホーツクに来てからずっとクルマの車検を頼んでいた修理工場の本業がバイクショップでした。クルマの修理などで顔を出すといろいろなバイクがお店に並んでいます。

あるとき、店の主人がカワサキの初期型Z1300のエンジンの載せ替えをやってるところに行き当たりました。

なつかしい・・・

ぼくが二輪免許の限定解除の試験に合格して、最初に買おうと思った候補のうちの一台だったのです。東大阪の中古車店で、このZ1300かヤマハのXV750Eかでずいぶん悩みました。

Zのほうは水冷6気筒でものすごく重いバイク。XVはVツインでスリム、750CCとしてはとても軽い車体。

ツーリングなんかのときに荷物満載で倒したりしたら起こせそうもないな、ということでXVにしたのでした。

そのZ1300が台の上に載ってて、しばし見とれてしまいました。でかい。Z1300はデザインがすべてに渡って角ばってていて、まるでむかしのロボットみたいなのです。手塚治虫の名作「魔神ガロン」のように神々しい。

ガソリンタンクの幅はものすごくて、またがったら股間を開いたままで運転することになりそうです。

同じころにお店に並んでたのが、今乗ってるスクーター、ホンダのスペイシー125です。これなら釣りにでかけるときの足としてばっちりです。コストもかからない。

万が一スピードの取り締まりをやってても、50CC未満の原付みたいに、ふつうに走ってるクルマの後ろをついて走ってるだけで捕まるということはありません。

買ってから、もう2年乗りました。この春、初乗りの日にリアタイヤがバーストして、タイヤ交換に出しています。

はじめて気がついたのですが、このスクーター、フロントとリアのタイヤサイズがまるでいっしょなんですね。だから、減りの早いリアタイヤとフロントタイヤを入れ替えれば、いいローテーションになります。工賃のみでオーケー。

今年は、フライロッドのケースをどうにかして取り付けて、釣行仕様にしようと思っています。

去年までは移動のときは竿をベストのバックポケットに差していました。木のトンネルになってるところを通りぬけるときにツーピースの竿が当たることがあってヒヤリとしたことが何度もあるのです。なんか、どうもイヤな感じ。

ケースは、リールを装着した状態のまま、たたんだ竿を収納できればベスト。思案中です。

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