沖縄の実話怪談はレベルが高い

kadoyatakumi / Pixabay

小原猛(こはらたけし)という作家の実話怪談は、いいです。もとは京都のひとなんですが、沖縄に移住して怪談の聞き書きをしています。ぼくが最近読んだのはこちらの二冊。前も読んだので二度目になります。

最近多い実話怪談の書き手のなかでは、上品な語り口や文章のセンスが抜群にいい。

ぼくが住んでいる北海道オホーツクの清里町の図書館は近隣の自治体(網走・小清水・斜里)の図書館とくらべて、ダントツに心霊関係の書物が充実しています。「新耳袋」は全巻そろってるし、文庫判の新刊も次々に入れてくれます。

で、この図書館の実話ホラー系蔵書を読みまくったのですが、こと「上品さ」ということになると、この小原猛氏と黒木あるじ氏がツートップです。

フラットな視点から現象や伝聞を判断して伝えることができる書き手で、思い込みや勝手なのめり込み、決めつけがないので、実話ホラーに対して同じようなポジションにある読者(この場合はぼくのことですが)の気持ちとリンクできるのです。

こういう視点のとりかたが不十分だと、本が「ヤラセ」や「単なる演出」っぽいテイストになっていく傾向にあります。いったんそうなってしまったら、その著者の作品はみな、実話をお金にするためだけのあざとい作り物みたいに見えてきてとても興ざめなのです。

なにをそんなに騒いでるんだか・・・みたいに見えちゃう。

でも、ほんとのところはわかりません。読者に感づかれないように創作してるのかもしれません。それはどうでもいいのです。マジックとおんなじで、要はうまくダマしていただければそれでオーケー、なにもモンダイはありません。

実話怪談は著者も読者といっしょに怖がってくれなきゃダメなんです。そういう書き手が少ないのは、怪談の世界はずっぽりはまっちゃいやすいものだからなのでしょうか。

沖縄というところは、ユタ(霊能者)やらマジムン(悪霊)やらが暮らしのなかに根付いてるかんじがあって、それが実話怪談の信ぴょう性を大きくするパワーになっています。御嶽(うたき/修行する場所の意)とか拝所(うがんじゅ/修行する場所の意)とかがわりとすぐそこにあったりします。

何年か前に格安プランで行ってきましたが、島全体に沖縄戦の影が深く刻まれてるかんじで、明るいという印象はぼくにはありません。予備知識ゆえの誤解かもしれませんが。

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