鋭すぎるピーラーはNGです

★左が新しいピーラー、右が古いもの / 直十(c)

2か月ほど前、つれあいが新しいピーラーを買ってきました。皮をむくだけじゃなくて、刃先を回転させれば三種類の切り方ができるという十得ナイフのようなピーラーです。千切りもできるんですね。

これが、切れるのなんの。まるでナイフのような刃先で、スパスパいきます。

切れるのはけっこうなことなんじゃないかと、最初は思っていました。

でも使ってみると、危ないのです。指を削りそうになる。

実際、連れあいはこれでケガをしたので、よほど大きい対象以外は使わなくなってしまいました。

とくに小さいジャガイモの皮をむくときには、よっぽど注意しないと指を削ってしまいます。こういう丸いものをホールドする指と、むきたい部分が近いととても危険なのです。

で、ジャガイモが相手の場合は、前から使ってる、あまり切れないピーラーの出番が多くなりました。これだと、ピーラーの刃先がちょっと当たっただけでは指がそがれることもなく、野菜の皮だけがムケてくれます。

切れれば切れるほどいいってもんじゃないのは、薪割りに使うマサカリも同じです。

マサカリは、切るものじゃなくて割るものなので、刃先はナマクラでいい。力いっぱい振り回して使う大物道具なので、ギンギンに研いだもので事故ったらオオゴトになってしまう可能性があります。

そういう意味でも、マサカリはナマクラなくらいでちょうどいいのかもしれません。

反対に、ナタや鎌はバッチリ研いでおかないと、作業時にイライラして楽しくありません。

ウチにはもらいものの刃物がたくさんあります。民家の解体現場から拾ってきたもの。施設に入るお年寄りの家から出たもの。知り合いの引越しでいらなくなったもの。知りあいが持ってたけど使わなくなったもの。道で拾ったもの。

草刈りのカマ、耕すクワ、長い柄の草刈り用具、ナタいろいろ、小さいマサカリ数本、いろんなノコギリ、ノミ、彫刻刀、カンナ、ハンドドリル、ナイフ、包丁・・・

みな、手仕事をしなくなったらただのゴミにすぎません。でも、こんな道具たちは自然に手仕事をするぼくのところに集まってきます。引き寄せの法則、というやつでしょうか。

いつも安い労働力の国で作ったものを使うようになって、たまに自分で作るとなったら電気で動く機械を使うようになったので、現代の日本人はほとんど手仕事をしなくなりました。鉛筆も削れないんじゃないのかな。ふつうの家庭にはそれ用のナイフがないものね。

ぼくが今手仕事に使っている道具のうち、電気やガソリンで動くものはチェーンソーと丸のこだけです。ほかはみな人力。それで足りるのです。受注生産をやってるわけではないので、納期までにまにあわせるというようなシチュエーションがない、ということもあるかもしれません。

できたぶんだけを売っていく。

受注生産はお客さまの要望にこたえる必要があるので、どうしても制作が辛くなることがあります。イヤなこともやっていかないと、この業態の維持は無理です。ぼくは以前20年以上こういった受注生産の仕事をやっていたのでよくわかります。

お金を出すのだからといって無理な発注をされるケースがけっこうあります。しかもお引き受けするこちらだってお金が欲しいわけですから、なんとかしてそれに応えようとする。そういうことの積み重ねで制作現場がおかしくなっちゃうことがままあります。

やっぱり、その作品を気にいっていただいたお客さまに買っていただければそれで完結する業態が一番です。気にいっていただけないのなら、その方はお客さまではない。それでいいんじゃないでしょうか。

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