悩みのタネはフロータント

【 フロータントは悩ましい 】

フライを浮かせるためのフロータントには苦心してきた。

ぼくが初心者のころから使っている【Gink】は使いやすいフロータントだ。けど、高価。あんな小さなパッケージにあんな少量入って800円くらいする。

しょっちゅう釣りに行っているとあっという間になくなるし、とくに暑い日に下を向けて出そうとするとドバっと出てしまって、もう戻せない。で、さらにすぐ、なくなる。これではサイフにやさしくない。

パウダー状のティムコ【ドライシェイク】も使ってみた。性能は文句なくすばらしいのだが、魚を数尾掛けたら効果はなくなる。フライが乾くまでは再コーティングは無理。いかんせん、Ginkよりも高くつく。う~ん。

ほかのメーカーのフロータントもあれこれ使ってみたが、べたついてヘアーがまとまってしまうものだったりして、どうもピンとこない。

【 代用品を探す 】

それで、安く手に入る代用品をこれまでずっと探し続けてきた。

まず、サラダ油。固まらない食用油は、フライに塗っても、あっというまに水に流れて効果はない。同様に、マヨネーズも使えない。

では、マーガリンやバターはどうだ。冷蔵庫で固まってるじゃないか。水に冷やされると固まるという意味では使えるのだが、常温だと変質する。とくに暑い夏はダメ。

【 フロータントを使わない釣り 】

と、ここまであれこれ試しているうちに、もう、面倒になってきて、フロータントなんてどうでもいいや、という時期もあった。カディスフライをいきなりウエットフライのように使うのである。

これでも、マテリアル(フライの材料)じたいに浮力があるので、最初のうちは浮く。エルクヘアーは中空構造になっていて、空気を内蔵している。でもこれも、魚を釣ってしまったら沈むようになる。

沈むようになったら、いちいち悩まずに、ウエットフライとして使う。北海道の魚はアベレージサイズが大きいので、アタリは明確に竿に来る。アタリのわからないようなサイズを釣ってもしかたがないのだし。

こうやってフロータントを軽視して釣りをしていた時期には、けっこう大物が釣れた。ワニのような顔をした55センチはフライが沈んだときに来た。

なにより、フライが見えないことにあまり神経質にならなくなった。目で見て合わせるより、竿先に来たアタリやひっぱられるフライラインで合わせたほうが、バラシが少ない。目で合わせると、たいていは早合わせになってしまって、【合わせ切れ】や【バラし】が起きる。

これまで、よそ見をしていたときに大物が出て、うまく釣れたことが何度もある。見ていないほうが良い結果を生む。

【 これで解決、か? 】

5.6年前にホームセンターで発見した【シリコンスプレー】はフロータントとして使える。溶剤が入っていないので化学繊維にダメージを与えないし、浮力がわりと持続する。しかもたっぷり入って300円くらいで買えるのでグッド。でも残念、スプレー缶が大きすぎて、釣り場に持っていけない。

ベストのバックポケットに入れれば持ち歩けないこともないのだが、いちいちベストを脱いで缶を取り出さなきゃいけないのが難点。重いし。

シリコンスプレーが小さな缶で売ってたら、しかも200円くらいなら、これでバッチリなんだが、残念、その設定はない。

しょうがないので、釣りにでかける前に塗布しておく。小さなプラスティック製の容器にフライを何個か入れてフタのすきまからスプレーしてフタを閉めて振る。乾けばバッチリ、川で使える。でも、魚を2.3尾掛けて浮力がなくなったら、もう、おしまい。フライを取り替える以外にない。

そうなってからGinkを使うのでは、元の地点に戻るようで釈然としない。うーむ、悩ましい。

魚が出続けているときは、フライは替えたくないものだ。一度結んだフライは、魚がそれで出るかぎりはウイングが抜け落ちるまで使うのが、ぼくの主義。

◇右はDcmブランドのシリコンスプレー。左はフィリピン製ココナツオイル、ピンオンリールに付けたGinkの容器に入れて使っている。【直十(c)】

最近はGinkのかわりにココナツオイルを使っている。家でシリコンスプレーのコーティングをしておいて、川で浮力がなくなったらGinkの容器に入れたココナツオイルを使う。

ココナツオイルは25℃くらいより温度が低いと固まるので、固まっていたら指で溶かしてフライにすりこむ。

固まっているとGinkの容器からオイルを取り出すのが大変。フォーセップなど棒状のもので突っつかないといけない。今のところ適当な入れ物が見つけられていない。なにしろ、溶けた状態だと漏れやすいので、フタの甘いビンはダメ。フタがガッチリ閉められて小さい容器だとベストなんだが。

ココナツオイルを入れる容器を探すのが今後の課題。指が入るくらいの広口で、密閉可能なもの。ガラスビンでもいいのだが、パッキンがちゃんとしていないといけない。

でも、ココナツオイルだとGinkよりも浮力が落ちるのがずっと速い。Ginkの成分はパッケージにはまったく書いてないのだが、ココナツオイルみたいな、低温で固まる油にシリコンの成分が配合してあるんじゃないだろうか。たぶん。いずれにしても、コストはほとんどかかってないと思う。

日本製で、安く、この専用品が開発される日が来ればいいのだが…

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