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廃材の山を薪にしていくなかで、
(これは焚いてしまうに忍びない・・・)
と思える材に出会うことがたびたびあります。

・・・乾いていてもずっしりと重い。
切ってみると、年輪が密に重なっていて。
切り口が優しいおだやかな色あいだったり、ツートーンになっていたりして。
とても魅力的で、暖をとるために燃やしてしまうには、あまりにも惜しい。

ある年の春、木彫師が使っていた手斧を譲っていただきました。
柄にはアイヌ独特の文様が刻まれていて、握ればしっとり手になじみます。
片刃で、握る位置を変えれば大きく削るもわずかに削るも自由自在。
まるで、手の機能がひとつ増えたような気がしました。
以来、この手斧に導かれるように、木を削るようになりました。


 @虹鱒と山女魚 [イチイ古材使用・無塗装・2016年]


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